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メギンギョルズ。北欧神話で雷神が身に纏う力帯の名。そして、戦う意思を持つ者に、戦う力を与える物。
「メギン……ギョルズ?」
「メギンギョルズ。北欧神話で雷神が身に纏う力帯の名。そして、戦う意思を持つ者に、戦う力を与える物だ」
「そう言われても……。俺は荒事は素人だし、それに、俺は戦うのは嫌いなんだ」
「傷つけるのが、だろう?」
「え?」
「君の瞳には、戦う意思が宿っている。苦境に屈することなく、それに抗する鋼の意思がある。その鋼は悪意から人を守る盾になる……君にこの《ヘキサアイギス》があれば」
それは、革製のベルトだった。拳ほどの大きさがある六角形のバックルの存在感。その携帯電話ほどの厚みの中に、機械が精密に組み込まれているのが見える。
簡単に言えば、それは――
「――仮面ライダー?」
そう。それは、まるでテレビの中で見た変身ベルトのようだった。
「バイクは自前で用意してもらうことになるけどね」
そういって、芳乃は悪戯めいた笑みを浮かべた。
はじめて聞いた彼女の冗談で、はじめて見た彼女の笑顔だった。