断章:冒頭(06/11/18)

「なあ、兄ちゃんよお?」

「は、はい、なんでしょう」

「お前、捨て犬とか見たら餌やっちゃう方?」

「まあ、はい。餌持ってたら、ワリと、やる方だと」

「ふーん。じゃ、俺たちにも恵んでくれないかな」

「え、と。それはどういう?」

 意味で、と言葉を続ける必要は無かった。

「ぶっちゃけ、金出せよ。財布の中身と、生徒手帳の中身と、親の財布と、家の引き出しと、預金通帳と、全部出せ」

「そ、そんな」

「そんなわざわざ稼がなくていいんですか、って? そんなことでいちいち感動するなよ。俺たち、優しいだろ?」

「なあ、俺らあんなに優しいヤツはいないって近所でも評判だもんなあ」

「そうそう。いつも峰打ちで済ませるぐらい優しいもんなあ。うーん、自画自賛」

断章:出会い(06/11/18)

「キミ、それでも男の子?」

「だ、だって、相手は刀持ってるし……」

「だったらキミも持てばいいでしょ! それとも、刀を買うお金も無いとか?」

「そうじゃない、けど」

「じゃあ、買いに行きましょ。ワリカンでなら奢ったげるよ?」

「え。今から学校が」

「行くの? 行かないの!?」

「あ、う。行き、ます」